神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

で、更にその1時間後。

「着いたー!」

「意外と近かったな」

近くの、川遊び場に辿り着いた。

…一体何でこんなところに。

ベリクリーデは浮き輪を嵌めて、早速川にやって来た。

ちなみに、クロティルダも一緒である。

クロティルダは何の疑問も抱かず、ここまで一緒についてきた。

ここに来るまで、ベリクリーデは浮き輪をつけっぱなしだった。

恥ずかしいのなんのって。

…こんな暑いのに川遊びって。

いや、暑いからこそ、か?

「わーい。あそぼー」

浮き輪を嵌めたまま、大胆にも川に飛び込もうとするベリクリーデ。

「ちょ、待て!」

…を、俺は羽交い締めにして止めた。

あぶねぇ。馬鹿かよお前は。

「ふぇ?」

「ふぇ?じゃねぇんだよ。川に飛び込むのはやめなさい」

「でも、これ川遊びに使うんでしょ?」

そう言ったけど。

「…ベリクリーデ、お前、泳いだことあるか?」

「えっ?」

「泳げるか?クロールでも平泳ぎでも良いけど」

「…くれーぷ?」

…クレープじゃない。クロール。

この様子じゃ、ベリクリーデは絶対に泳いだことないな。

あのな、川で泳ぐのは危ないんだよ。

プールや海とは違って、川は危険だ。

場所にもよるけど、一見ゆるやかに見えて、意外と流れは速かったり。

水深が浅いところに見えても、実は結構深かったりする。

だから、夏になると毎年、川で不幸な事故が起きるのだ。

子供に限らず、大人でもそう。

ましてや、泳いだことのないベリクリーデじゃ、あまりに危険過ぎる。

いくら浮き輪をしていても。

「…泳いじゃ駄目なの?」

「…今日のところは我慢しなさい」

「折角来たのにー…」

…それは残念だったけど。

それじゃ、代わりに。

「…ベリクリーデ、ザリガニ捕まえるか?」

「ふぇ?」

折角川に来たんだ。何もせずに帰るのはつまらないだろ。