神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

…30分後。

近所の雑貨店で購入したエアーポンプを手に、戻ってきた。

それを使えば、瞬く間に…。

「ほら、出来たぞ」

浮き輪完成。

ベリクリーデに膨らんだ浮き輪を渡すと、興味津々。

「わーい。見てークロティルダ。おっきい風船!」

「円形の風船か。これは珍しいな」

だから、風船じゃないんだってば。

「あのな…それは風船じゃなくて、身体につけるものなんだ」

「え?」

「身体を通すんだ。その輪っかに」

「うーんと…。…こう?」

ネックレスみたいに、首にずぽっ、と浮き輪を嵌めるベリクリーデ。

…違う。そうじゃない。

「フラフープみたいだね」

「あのな、ベリクリーデ…。そうじゃなくてな…」

一体どう説明したら良いか。

もう、このまま誤解させたままで良いんじゃないかなと思ったけど。

「…ふぅ」

…かと言って、ベリクリーデがうっかり浮き輪を首に嵌めたまま、外に出てしまったら困るので。

「あのな、ベリクリーデ…。それは…」

俺はベリクリーデを座らせて、懇切丁寧に浮き輪の正しい使用法を説明した。

それは、川とか海とかプールとか、水の中で使うものなんだって。

ベリクリーデは、理解しているのかいないのか、ぽやーんとした顔で聞いていた。

ついでに、その隣でクロティルダまで、同じくぽやーんと聞いていた。

ベリクリーデはともかく、お前は知っておけよ。このアホ天使は。

「…分かったか?」

「うん、分かった」

よろしい。

「それじゃ、早速一緒に川に泳ぎに行こっか」

…え?