神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

メニューを注文してから、15分後。

「ずるずる…。美味しいね、ジュリス」

「成程。こういう食べ物だったのか」

ベリクリーデはご満悦の様子で、フォークを使って醤油ラーメンを啜り。

その横で、クロティルダが塩ラーメンを啜っていた。

…ラーメンを食べる天使。なんかシュールだな。

ちなみにベリクリーデがフォークを使っているのは、箸で上手く麺を啜れなかったからである。

恥を忍んで店員さんに頼み、子供用のフォークをお借りした。

お箸の使い方、今度教えてやるからな。

まぁアレだ。何にせよ。

気に入ってくれたようで良かった。

案ずるより産むが易し、と言うが。

案ずるより食べるが易し、ってこともあるんだな。

「お醤油に浸かってるのかと思ってたけど、そんなことなかったね」

「あぁ。俺も塩ラーメンというだけに、塩がトッピングされているのかと思ったが…そんなことはなかったようだ」

当たり前だよ。

お前らは、何でそう極端な発想しか出来ないんだ。

「ジュリスのカニさんラーメンは?美味しい?」

「カニじゃねぇけどな…。…美味いよ」

「そっかー」

…もう、そう思わせておけば良いか。

「それより…餃子も食べろよ」

3人で食べると思って、12個入りを頼んだんだから。

「はふはふ…。熱くて美味しいね」

「これは敢えてこの形に包んで焼いているのか。…仕事がマメだな」

餃子を堪能するベリクリーデと、餃子の形をしげしげと見つめ、その造形をじっかり観察するクロティルダ。

餃子の包み方って、色々と種類があるけど。

やっぱり、この一番オーソドックスな形が落ち着くって言うか…。

これぞ餃子、って気がするよな。

家庭料理で餃子を作るのは、これを包むのが大変で、なかなか出来ないけど…。

それだけに、ラーメン屋で食べる餃子の美味しいこと。

ニンニク利いててめっちゃ美味い。

「…だけど」

と、ベリクリーデが食べる手を止めた。

ん?

「ここのラーメンはとっても美味しいのに、何でさっきジュリスの部屋で食べたラーメンは、カチカチだったんだろう?」

「確かに」

…。

…それはお前の食べ方が間違ってるからだよ。

良いか。そりゃ、お店で食べるラーメンには及ばないかもしれないけど。

カップラーメンだって、それなりに、いや、最近のカップラーメンは質も味も向上していて。

下手したら、ラーメン屋で食べるよりも美味しいカップラーメンだってあるんだからな。

…それなのに。

「きっと、家庭料理と店で食べる料理の違いだろう」

「そっか。こんなに味が違うなら、もうお家では食べられないね」

んな訳ないだろ!と言いたいところだったが。

「…はぁ」

店の中で説教するのもなんだし。

今日のところは、大目に見てやるよ。








END