神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

ったく…。

「大丈夫だベリクリーデ。ちゃんと美味いから。安心して注文してみろ」

俺は、ベリクリーデを励ますようにそう言った。

このアホ天使の言うことなんて気にするな。アホなんだから。

「美味しいの?…ジュリスはどれを頼むの?」

「俺?俺は…今日はみそラーメンの気分だな」

「ジュリス、カニさん食べるんだ…」

「…カニミソじゃねーよ」

味噌っていう、調味料があるの。分かる?味噌。

味噌汁に入ってるだろ。アレだよ。

「どれが一番美味しいの?」

「それは…好みにも寄るけど…」

「そっかー。じゃあ、ど、れ、に、し、よ、う、か、な〜」

目を閉じて、メニュー表の上で指を動かすベリクリーデ。

そういう決め方で良いのかよ。

「て、ん、の、か、み、さ、ま、の、い、う、と、お、り〜」

「天の神も時々は間違えるからな。自分で決めた方が良いと思うぞ」

と、天使が仰っております。

お前がそれを言うかよ。天使のお前が。

で、ベリクリーデが天に運を任せて、目を開けると。

ベリクリーデの指先が選んでいたのは…まさかの、ラーメンではなく。

「よしっ、これだ。…って、エビマヨ丼…!?」

「…ラーメンを頼めよ」

だから天の神に委ねるのはやめろって。

あぁ、もう良い。俺が勝手に注文する。

「店員さん、すみません。醤油ラーメンとみそラーメン、それから塩ラーメンを一つずつ。それと餃子12個入りを一皿、お願いします」

「はい、かしこまりましたー」

「あぁっ…。ジュリスが勝手に頼んじゃった」

「選択権を奪われたな」

うるせぇ。

お前らに選ばせてたら、永遠にメニューなんて決まらねぇよ。

とにかく、まず一度食べてみろ。話はそれからだ。