神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

ーーーーー…俺の名は、クロティルダ。

智天使ケルビムに仕える、第七大天使サンダルフォンの称号を持つ、クロティルダである。

「裁定者」とも言われる俺の趣味は、人間観察である。

自らが賽を振り、生贄として選んだ人間達の夢の中の戦いを見届けること。

これが俺の大きな役目であるが、しかしそれだけではない。

姿を消して地上に降り、人間達の生活をつぶさに観察すること。

これもまた、俺の役目であり…趣味でもある。

そこで俺は、この度、イーニシュフェルトの聖賢者、こと。

我々、聖神ルデスに仕える天使にとって裏切り者…シルナ・エインリーと、その仲間達のことを、こっそり観察してみようと思う。

同じく大天使であり、同じく智天使ケルビムに仕える天使仲間のリューイ、曰く。

彼らは罪人ではあるが、悪人ではない。らしい。

リューイの言葉の意味を、俺もこの目で確認してみようと思う。