神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

この屋台のくじ引きは、束になった紐の中から、1本を選ぶ。

その紐の先に景品がぶら下がっていて、選んだ紐にぶら下がってる景品をもらえる、というよくあるシステム。

「ねぇジュリス、この中から選んで良いの?」

「そうだよ」

景品は様々。

一等賞は旅行券。二等はゲームソフト。三等はコーヒーメーカー。

へぇ…。なかなか豪華な景品じゃないか。

って言っても、こういうのって当たらないんだよなぁ…。

「ベリクリーデ、お前は何が欲しいんだ?」

「うーん、そうだな〜…。あの飴ちゃん!」

…それ、ハズレ景品じゃね?

「ジュリス、どれが当たりかな?」

「いや、俺は…。くじ運無いから」

ん?でもベリクリーデは、ハズレ景品の飴ちゃんが欲しいんだよな?

だったら俺がハズレを引いて、ベリクリーデに飴ちゃんをあげた方が…。

いや、でもこういう時に限って外れるから。

「そっかー…。じゃあクロティルダ、どれが良いかな?」

「そうだな…。…俺のおすすめはこれだな」

クロティルダは、束の中の一本の紐をつまんだ。

「じゃあ、それにしよーっと」

さて、クロティルダの今日の運はいかに。

紐を引っ張ってみると、紐の先にぶら下がっていたのは…。

…特賞。人気テーマパークのファミリー招待券。

…嘘だろ。

「…」

これには、くじ引き屋のおっちゃんも目を丸くしていた。

まだ花火も打ち上がってないのに、早くも特賞が当たってしまった。

畜生。この天使、くじ運があるにも程がある。

お前、天使の超能力とか使ってね?偶然?偶然なのか?

「…わー。これ何?」

「紙切れだな」

「…飴ちゃんじゃなかった…」

「不甲斐なくて申し訳ない」

それなのに、ベリクリーデとクロティルダはこの反応。

お前ら。特賞だぞ。もっと喜べよ。

その紙切れ、物凄く価値のある紙切れだから。

しかし、ベリクリーデはそんな特賞よりも、ハズレ景品の飴ちゃんが欲しかったようで。

しゅーん、と落ち込んでいた。

…。

…この招待券、シュニィへのお土産にしよっと。