神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

「…これで良し、っと。ベリクリーデ、きつくないか?」

「大丈夫だよ」

よし。じゃあこれでOKだな。

やっぱり、帯を結ぶと様(さま)になるな。

浴衣だけでも充分似合ってたが、やはり帯がないと、浴衣とは言えない。

「凄く手際が良いですね、ジュリスさん…。プロの着付け師みたいです」

俺がベリクリーデの帯を結ぶ様子を横で見ていたシュニィが、舌を巻いていた。

「寄せよ。ただ器用貧乏なだけだ」

昔、ちょっと齧ったことがあるから。その時の名残みたいなものだ。

褒められるようなことじゃない。

それなのに、ベリクリーデはえへん、と胸を張って。

「そうでしょ?ジュリスはとっても器用なんだよ」

…何でお前が自慢げなんだ?

「えぇ、本当に。羨ましいです」

「えへへ。そうでしょー?」

こら。調子に乗るな。

別に大したことじゃねぇよ。誰だって教われば出来る。

…それよりも。

「ベリクリーデ、こっち向け」

「ほぇ?」

「折角だから、メイクもしてやろうと思ってな」

顔だけは良いんだから、飾らないと勿体ない。

「ありがとう、ジュリス」

「はいはい。じゃ、大人しくしててな」

「ジュリスさん。私のもので良かったら使ってください」

自分のメイク道具を、シュニィが貸してくれた。

おぉ。有り難い。

「何から何まですまんな、シュニィ」

「いいえ。お気になさらず」

シュニィの好意に甘えてばっかだよ。ごめんな。

それじゃ、やるとするか。