神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

さて、松ぼっくりで作るものは、動物だけではない。

松ぼっくりと言ったら…作るべきは、やっぱりアレだろ?

「ベリクリーデ。次はクリスマスツリーなんてどうだ?」

「…クリスマスツリー?」

松ぼっくりで工作と言えば、やっぱりクリスマスツリーが定番だろ。

ちゃんと、絵の具、ビーズ、リボン、鈴などの小物も取り揃えた。

好きに作って良いぞ。

「ほら、こうして好きな色を塗って…」

まずはお手本とばかりに、緑色の絵の具を筆に付け、松ぼっくりを塗ってみせると。

ベリクリーデは、目を輝かせていた。

「やる!私もやるやる〜」

「はいはい、ほら」

絵筆を渡してやると、ベリクリーデは好奇心いっぱいに絵の具を選び。

「よーし。金色にしよっと。金ピカクリスマスツリ〜」

金ピカって。

ま、まぁ良い。好きな色を塗れば良いよ。

「こうして、ボンドでビーズをつけたり、リボンを結んだり…」

「わー、可愛い!」

「そうだ。さっきのフェルト…。黄色いフェルトを切り抜いて、てっぺんに星をくっつけたり…」

「わー。わーわー」

興奮しているのはよく分かるが、段々と語彙力が怪しくなってるぞ。

「それから、松ぼっくりの先っちょだけ白く塗ったら、雪を被ってるみたいに…」

「ほぇぁ〜」

ほぇぁ〜って何?

人語を喋ってくれ、人語を。

「わーい。松ぼっくり楽しい〜」

「良かったな…」

満面笑みのベリクリーデ。

「ジュリスって何でも出来るね。松ぼっくり職人なの?」

「いや、そんなことはないけど…。昔取った杵柄って奴だよ」

子供の相手をすることもよくあったからな。その延長みたいなもんだ。

「ジュリスの手は魔法の手だね〜」

大袈裟だっつの。

…ま、良いか。喜んでるんだし。

このくらいなら、いくらでも付き合ってやるよ。