神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

ーーーーー…これは、ある夏の日のこと。





「…あっち〜…」

朝から、部屋にこもって仕事をしてるんだが。

まだ午前中なのに、暑いのなんのって。

窓は開けているけど、全然風が入ってこない。

手のひらが、じっとりと汗ばんでいた。

冗談だろ、って思うくらい暑い。

温暖化なのかねぇ。

「…はぁ、仕方ない」

何とか我慢しようかと思ったが、無理は禁物。

俺は窓を閉めて、エアコンのスイッチをピッ、と入れた。

文明の利器。

一日中冷房の中にいたら、身体がなまるかと思って。

エアコンをかけるのは午後から。午後の一番暑い時だけ。と自分で決めてるんだが。

今日は例外。

…え?貧乏臭いこと言ってないで、一日中つけとけば良いじゃん、って?

悪かったな。俺は昔人間なんだよ。

「ふぅ〜…」

エアコンって涼しいなぁ。

これがないとやってられねぇよ。

ようやく、涼しくなってきたが。

そこで俺は、とあることを思い出した。

ベリクリーデである。

今日、俺はまだベリクリーデの姿を見ていない。

いつもだったら、午前中のうちに「ジュリスー、あそぼー」とか言って。

勝手に俺の部屋に入ってきて、好き勝手遊んでいくのだが…。

今日はまだ見てないぞ。

…あいつ、何処で何してやがるんだ?

便りのないのは良い便り、と言うがな。

ベリクリーデに関しては、あの言葉は通用しないぞ。

目を離したら、何しでかすか分かったものじゃないからな。

今日は特に暑いからな…。多分、部屋の中で涼んでるんだろう。

かと言って、油断してはならない。

これから、何かやらかす可能性もある。

それに、最近はあのクロティルダと、ド天然コンビを組んで。

隊舎の庭にバナナを植えたり、木に登って松ぼっくりやどんぐりを採取したりと、やりたい放題。

またベリクリーデが何かとんでもないことを思いつく前に、目に入るところに置いておいた方が良い。

…はぁ。

俺は立ち上がって、ベリクリーデを探しに自分の部屋を出た。