神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

しかし、さすがにこの数のチョコウエハースを、二人で食べ切るのは不可能だった。

俺は一時間ほどでギブ。

口の中がもう、砂漠のようにパッサパサ。

不味い訳じゃないんだよ。美味しいんだよ普通に。

しかし、20分も食べ続けると、その美味しさは飽きに変わり。

40分が経過する頃には、飽きは苦痛に変わり。

その苦痛は、一時間で限界に変わった。

せめて味変してくれ。全部同じ味はキツい。

ベリクリーデはもう少し頑張っていたけど、途中でお腹がいっぱいになったらしく。

「けぷっ」とか言い出し始めたので、そこで俺がストップをかけた。

無理して食べんな。ウエハースだって、無理してまで食べて欲しくはなかろう。

しかし、捨てるのはあまりに勿体ない。

キーホルダーだけ取ってウエハースはポイ、なんてあんまりだろう。

美味しく食べるのが礼儀というもの。

…そこで。

夜が明けてから俺は、余ったチョコウエハースを、清潔なビニール袋に入れ。

それを、イーニシュフェルト魔導学院に持っていった。

別に嫌がらせのつもりじゃないぞ。

ただ、シルナ・エインリーはチョコレートが好きだそうだから。

安っぽいチョコウエハースだが、一応チョコが挟まったお菓子だから、食べないかなと思って。






大量のチョコウエハースを手に、イーニシュフェルト魔導学院の学院長室を訪ねると。

「あー、もしもし…」

「…お、ジュリスじゃないか」

羽久と、それから。

噎せ返るような、チョコレートの匂いに出迎えられた。

…おぇっ。