神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

その後も、いろり…マシュリは大活躍してくれた。

採血に臨む生徒達を、傍で元気づけてくれたのだ。

そのお陰で、生徒達の採血はつつがなく終了した。



「ふぅ…。終わったな」

「うん。無事に済んで良かったねー」

俺とシルナは、ホッと一安心…。

…すると思ったか?

「…さぁシルナ!最後はお前の番だ!」

「ひぇぇ!もう忘れたと思ったのに!」

忘れる訳ないだろ。馬鹿め。

どさくさに紛れて、自分だけ逃れようったってそうは行かないぞ。

「生徒達だって、頑張って耐えたんだぞ…。お前が逃げてどうするんだよ!」

「だ、だ、だ、だって!怖いものは怖いんだもん!」

聞いたか?この言い訳。

いろりに励まされながら、怖いのに頑張って採血を受けたマリアナに謝れ。

「ぐだぐだ言ってないで、さっさと観念して腕を出せ!」

「やだ!やだよ怖いよ〜っ!」

「お前大人だろ!」

この場で誰よりも歳上の男が、この場で誰よりもちびっ子みたいなこと言ってやがる。

…かくなる上は。

「…令月、すぐり、頼む」

「分かった」

「もー、しょーがないなー」

「ふぇ?…ひぇぇっ!?」

令月が、シルナの両腕を捻り上げると。

すぐりが、糸魔法でシルナをぐるぐると簀巻きにした。

これで、シルナは身動きも取れない。

その状態で。

「令月。一番太い針で良いぞ」

「分かった。じゃあ、この人馬兼用注射針を使って…」

ブスッ。

「ひゃぁぁぁぁぁ!いたぁぁぁぁぁ!」

シルナ、絶叫。

残念だったな。

素直に看護師さんの採血に応じないから、こういうことになるんだ。

令月は、手慣れた様子であっという間に採血完了。

「毒薬の実験用に、もう1デシリットルくらい、ついでに採って良い?」

「おぉ。好きにして良いぞ」

「いやぁぁぁぁ!助けてぇぇぇ!」

…こうして。

シルナも無事(?)に採血を終え、今年度のイーニシュフェルト魔導学院の一斉健康診断が完了したのであった。











END