神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

結果。1時間後。

「ジュリス、あったー」

「おー…。良かったな」

ベリクリーデが欲しがっていたくねくねちゃんを、ようやく引き当てた。

「見てー」

と、ベリクリーデはご満悦で、くねくねちゃんを見せてくれたが。

…。…キモッ…。

おっと。思わず口に出るところだった。危ない危ない。

いかにキモくても怖くても、ベリクリーデが喜んでるんだから、一緒に喜んでやらねば。

「良かったな、やっと当たって…」

「えへへー」

嬉しそう。

…くねくねを見て悲鳴を上げる人は大勢いると思うが、満面笑みを浮かべているのはお前くらいだろうよ。

すると、あろうことか。

「はい、ジュリスあげる」

「は?」

あんなに欲しがっていたくねくねちゃんを。

ベリクリーデは惜しげもなく、俺に差し出してきた。

…何で?

「…何?これで俺を呪い殺してやろうと…?」

「?くねくねちゃん可愛いから、ジュリスにあげる」

何故そうなる?

しかし、ベリクリーデの性格的に、人に嫌がらせをしようなどとは思うまい。

ましてや、相手を呪ってやろうなんて以ての外。

ベリクリーデは善意100%で、このくねくねちゃんを俺に差し出しているのだ。

「いや、だって、これお前が欲しかったんだろ?」

「?うん」

「折角出たのに、何で俺に渡すんだよ?」

「一番可愛いのだから、ジュリスにあげたかったの」

…いや、だから何で…?

「ジュリスに喜んで欲しかったの」

「…」

「…ジュリス、嬉しい?」

え?いや。

…キーホルダーとはいえ、くねくねもらって喜ぶ人、いる?

余程変わった趣味をお持ちでなきゃ、「やったーくねくねちゃんだ!」とは言わないと思うけど。

という、俺の戸惑いがベリクリーデに伝わったのだろう。

「…嫌だった?」

ベリクリーデは悲しそうな表情で聞いた。

「え?あ、いや、そんな」

「ジュリス、喜んでくれなかった…」

しょぼーん。

ちょ、やめろよ。俺が泣かせたみたいじゃないか。

「喜んでる、喜んでるよ。ありがとうベリクリーデ」

「ほんと?」

「あぁ、本当本当」

ほら、よく見てみろよ。このくねくねちゃんを。

一見不気味に見えても、よくよく見ると意外と可愛く見え…。

…る、なんてことはないけども。

俺は、無理矢理にでも笑顔を作ってみせた。

「ありがとうな、大事にするよ」

「良かったー。私だと思って可愛がってあげてね」

…くねくねを?