神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

鈍い無闇君は例外として。

不機嫌なジュリスに影響されて、職場の労働環境がこれ以上悪化する前に。

可能な限り、なんとかしたいところだったが…。

…しかし。

事態は、更に悪い方に向かっていく。






…会議後の昼休み。

「さて…。よし、ルイーシュ」

「何ですか」

「気晴らしに、今日は外に食べに行こうぜ」

毎日の食事は、大抵、魔導隊舎の食堂で済ませている俺達だが。

たまの贅沢ってヤツ。

ここはぱーっと外食でもして、ジュリスによってもたらされた、くら〜い雰囲気を一掃しようぜ。

「良いですけど…。何食べに行くんです?」

「そうだな…。…牛丼とか?」

「分かりました。それじゃ、ハンバーガーでも食べに行きましょうか」

「…この野郎…」

ハンバーガーを食べたいなら、そう言えよ。天邪鬼かよ。

まぁ良いけどさ。ハンバーガー美味いし。

…え?聖魔騎士団魔導部隊の大隊長ともあろう者が、お昼に牛丼だの、ハンバーガーだの、庶民的なものを食べてるのかって?

そんなもんだよ。

俺はいくら偉くなっても、マッ●のポテトが一番美味い、と言える人間でありたい。

まぁ、俺は庶民出身だからな。

コンビニの弁当でさえ、贅沢だなぁと思うレベル。

カップ焼きそば食ってろ。

…さて、話を戻して。

ルイーシュと一緒に、ハンバーガーを食べに行こうと、魔導隊舎の玄関を出た、

その時だった。

「…むっ」

「…どうしました?」

「…」

…見えちゃった。

俺は、無言でそこを指差した。

ルイーシュは、俺の指差す方向を向き。

そして、「うわぁ…」みたいな顔をした。

いたのだ。

ベリクリーデちゃんと、件の…天使が。

二人で、仲良く庭のベンチに座っていた。

それだけでも「うわぁ…」なのに。

あろうことか。

ベリクリーデちゃんは、クロティルダに膝枕してもらって。

気持ち良さそうに、日向ぼっこしているではないか。

膝枕してもらって、すぴすぴと眠るベリクリーデちゃんの頭を。

クロティルダは、恋人みたいに優しく撫でていた。

…犯行現場を目撃してしまった、って感じだな。

「…見なかったことにしても良いですかね?あれ…」

「あぁ…出来ればそうしたいところだが…」

…ばっちり見ちゃったんだもん。

今更、見なかったことには出来ねぇよ。