神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

馬鹿につける薬は無いと言うが、あれは本当だな。

…言いたいことは色々あるが、ひとまず。

「…ベリクリーデ、そしてクロティルダ」

「なぁに?ジュリス」

「どうした?」

「…お前ら、そこに直れ」

と言うと、二人は互いに、不思議そうに顔を見合わせ。

何故か、その場で二人、体育座りをした。

正座しろや。

つーか、天使が体育座りって。相当シュールなんだが?

しかし、そんなことはどうでも良い。

この馬鹿共に、どう説教してやったものか。

とりあえず、これだけは言わせて欲しい。

「…気候的に、ルーデュニア聖王国でバナナは育たないぞ」

「えっ」

「あと、野生の乳牛なんていねーから」

バナナってのは、もっとあったかい地方で育つ植物であって…。

ビニール栽培でもない限り、裏庭に植えとくだけじゃ育たない。

それに、野生の牛がどうもか言ってるが。

あれは、美味しいミルクを出すように人間が品種改良した家畜であって…。

その辺を走ってる牛(絶滅危惧種)を捕まえても、ミルクを出してはくれないぞ。

「じ、じゃあ…私、どうやってバナナジュース作れば良いの…?」

そんな絶望した顔するなよ。

「まだ諦めるな、姫。冥界に行けば代用品が、」

「お前は黙ってろ、この馬鹿天然天使めが」

お前がきっぱり言わないもんだから、こんなややこしいことに。

困ったら冥界に行くのやめろ。

「…はぁ…」

…ほんと、馬鹿につける薬は無いよなぁ。

俺は、心の底から深い、深い溜め息をついた。