神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

結局、今更断るに断りきれず。

と言うか、俺が断ってしまったら、映画館内でベリクリーデとクロティルダが二人きりかと思うと。

それはそれで腹立たしかったので、俺も一緒に入場する他なかった。

畜生。何で俺がこんな目に。

当然だが、この映画を観ようとするのは、小さな女の子を連れた親子や。

それから、大きなお友達が数人。

それなのに、ベリクリーデは少しも恥ずかしくないようで。

そもそも、ベリクリーデに「恥ずかしい」という感情は存在しない。

男の前でも、平気で下着姿を晒す奴だからな。

せめて、クロティルダを巻き添えにして、こいつも恥ずかしい目に遭えば良いと思ったが。

クロティルダもクロティルダで、少しも恥ずかしがっている様子はなく。

どころか、「まじかるうぃっち大人分、三人」と、堂々とカウンターでチケットを購入していた。

そこまで堂々とされてしまうと、こちらとしては何も言えない。

更に、入場時に、入場特典として、ガチャポンの景品みたいな、小さな玩具を配布された。

スイッチを入れると、ピンク色のライトがついた。

劇中でまじかるうぃっち達がピンチに陥ったら、このライトをつけてみんなで応援してあげてね、とのこと。

あったなぁ、そういう演出。

こんな応援しなくたって、まじかるうぃっちはちゃんと勝つだろうに。

しかし、劇場内にいるちびっ子も、ベリクリーデも、何ならクロティルダも。

馬鹿正直に、そのライトを照らして、まじかるうぃっちを応援していた。

「まじかるうぃっち、頑張れー」とか言ってた。ちびっ子に混じって。

むしろ、応援していない俺の方が、澄ましてて恥ずかしいみたいな雰囲気。

…なんで?なんで俺がこんな目に?