神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

「あのね、一緒に映画観に行こう」

「映画?」

「うん。大人は映画館に遊びに行くんだって、ジュリスが」

「成程。それは興味深い意見だ」

興味深いのかよ。

お前天使の癖に、映画に興味あんの?

「一緒に行ってくれる?」

「良いだろう」

良いのかよ。

ちょっと待て。それは聞いてない。

「じゃあジュリス。私、クロティルダと出掛けてくるね」

「待て」

俺は、ガシッ、とベリクリーデの肩を掴んだ。

…それは許可出来ないぞ。

「ふぇ?」

俺は出掛けるとは言ってないが。

代わりにクロティルダと出掛けるなんて、それは許されない。

こいつとベリクリーデを、二人きりにする訳にはいかない。

「どうしたの?ジュリス」

「お前も共に来るか?」

お前が誘うんじゃねーよ。ボケ。

…だが。

「…俺も一緒に行く」

…そう言うしかなかった。ベリクリーデを、この天使と二人きりにしない為には。

「ほんと?やった。三人でお出掛けだね」

「賑やかだな」

うるせぇ。お前はついてくんな。

畜生。こんなことなら、公園の砂場でお山遊びをして、社会的に死亡する方がまだマシだった。