神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

「ねぇねぇジュリス。ジュリス〜」

「何だよ…」

ぐいぐいと腕を引っ張ってくるな。

「あそぼー」

「あそぼー、ってお前な…。そんな幼稚園児じゃないんだから…」

「…あれ?ジュリス、今日なんで制服じゃないの?」

今気づいたのかよ?

「今日は日曜日。休みの日だろ?だから私服なんだよ」

「ほぇー」

お前は休みだろうが平日だろうが、関係なく俺の部屋に遊びに来るもんな。

毎日が平日であり、毎日が休日でもある。

「制服姿のジュリスもかっこいいけど、私服のジュリスもかっこいいね」

「はいはい…」

「じゃあ遊びに行こー」

じゃあ、って何だよ…。

「お休みの日なら、余計に遊ばないと」

何で自信有りげなんだ?

お前は平日でも遊びまくってるだろうが。

「遊ぶって…何して遊ぶんだよ?」

「うーん…。…砂場でお山作る?」

「…幼児かよ、お前は…」

小学生でさえ、もうちょっと知的な遊び方をするだろうに。

良い歳して、公園で。大人が二人で砂場でお山作ってたら、色々と問題だからな。

社会的に。

「じゃあ、どんな遊びなら良いの?」

「え?それは…。…そうだな、大人が遊びに出掛けると言ったら…映画館とか、カフェでランチとか、ショッピングとか…」

「じゃあ映画観に行こー」

おい、何だその適当な決め方は。

「行こー」

「ちょ、ちょっと待てって。俺も行くとは行ってないだろ」

「え?」

一人で行ってこいよ。俺は今日、ゆっくり過ごすつもりだったのに。

この間まで一週間の海外出張だったから、今日はしばらくぶりの休日なんだぞ。

少しは羽根を伸ばして、ゆっくりと、

「…一人ぼっちなの?」

「えっ?」

「私、また一人ぼっち…?」

「…」

…ちょ、何だよ。その泣きそうな顔は。

俺がいじめっ子みたいな図。

「…あのな。俺は別に…。いや、そんなことで泣かなくても、」

「あ、そうだ。クロティルダについてきてもらおう」

「え?」

何だと?今なんて言った?

「クロティルダ〜。クロッティ〜!一緒にあーそーぼー」

おい。何処向かって呼んでんだ。つーか、そのあだ名は何?

大体、天使なんて呼んでも来るはず、



「俺を呼んだか?」



…こ、この声は。

振り返ると、そこには。

「あ、クロティルダだ。わーい」

長身のイケメン天使が、そこにいた。

…嘘だろ。おい。