神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

はっしゃくさま。

…八尺様。

知ってるか?割と有名な都市伝説の…。

…何で、八尺様キーホルダーなんてものがこの世にあるんだ?

持ってるだけで呪われそう。

ベリクリーデは、その八尺様キーホルダーを脇に置き。

「次、次〜」

更に、どんどんウエハースを開けていく。

次に出てきたのは、列車の看板らしきものを持ったミニキャラ。

ミニキャラ自体は怖くないが、問題はそのキャラが持ってる看板。

あろうことかそこには、『きさらぎ駅』と書いてあった。

ひぇっ…。

「うーんと、これは…あ、きさらぎさんだー」

そんな名前のキャラクターなの?そいつ。

架空。架空の駅だからそれは。夢でも見てたんだよ多分。

「さて、次はー…」

ベリクリーデが、3つ目のウエハースを開けると。

今度は、裸になった女性が、巨大なヘビに頭をぱくっ、と食べられている真っ最中、という。

異様なシチュエーションをデフォルメした、恐るべきキーホルダーだった。

怖っ…。

「あ、はるみちゃんだー」

何だと。

「この女の子がはるみちゃんで、ヘビはまつろちゃんって言うんだよー」

「そ、そうか…」

…子供、これ見たら泣くのでは?

トラウマになるよ。こんなの。

名前をちゃん付けにして、ちょっと可愛らしく見せようとしてんじゃねぇ。

「よーし、それじゃ次は…」

「ちょ、ちょっと待てってベリクリーデ」

「ふぇ?」

ベリクリーデは、未開封のウエハースを手に、きょとんと首を傾げた。

「お前、これ…全部同じなのか?全部同じウエハースなのか?」

「うえはーす?」

ウエハースも知らずに買ってたの?

完全に玩具目当てであると思われる。

「これ、全部同じもの買ったのか?」

「うん」

…マジかよ。

一体何円分買ったんだ…?

好きなものを買えとは言ったけど…ありったけ食玩を買えとは言ってないぞ。

「可愛いでしょ?」

「…何が…?」

俺には、とてもじゃないが可愛いとは思えない。

…不気味じゃね?

子供は勿論、夜中に見たら大人でも泣くぞ。

誰だよ。こんな食玩販売した奴は。

多分、熱狂的な都市伝説ファンなのだと思われる。

「お前…いつの間に、こんな玩具…」

「この間、ジュリスと一緒にお買い物に行ったでしょ?」

え?

買い物なんて一緒に行ったっけ、と思ったけど。

アレか。焼き鳥の材料一緒に買いに行った。

「あの時、ジュリスがお菓子買っても良いよって言ったから」

「あっ…」

そう言われて、俺も思い出した。

あの時、俺はよく見てなかったけど。

ベリクリーデの奴、なんか食玩を一個、買い物かごに放り込んでたっけ。

「あの時ジュリスに買ってもらった玩具、可愛かったから、また買おーって思ったんだ」

…とのこと。

…まさか、アレがきっかけになるとは思ってもみなかった。