神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

みんなして、変な前置きをしやがるから。

一体何事かと、俺もそれなりに身構えてから裏庭に向かったのだが…。

「あ…いらっしゃいましたね」

「あぁ…。ジュリス、良いか。腰を抜かすなよ」

怯えた表情のシュニィとキュレムの、指差す先には。

…ベリクリーデがいた。

裏庭の、ちっちゃいベンチに腰掛けたベリクリーデか。

何だよ…。別に、いつも通りじゃないかと思ったが。

いつも通りではなかった。

確かにそこにはベリクリーデがいた。でも…もっと正確に言うと、ベリクリーデと、もう一人がいた。

見覚えのない男が。

ベリクリーデの隣に、寄り添うようにして座っていた。

だ…。

…誰だよ?あの男。

しかも、俺が唖然としている間に、二人の会話が聞こえてきた。

「わー、凄い。白くてふわふわして可愛い」

「これは、メイカイシロシロツメクサだ」

「花冠作れるなんて、器用だね」

「慣れれば、誰でも出来ると思うが…」

…花冠だと?

よく見ると、あろうことか。

謎の男がベリクリーデに、白い花で作った花冠を、頭に乗っけてあげていた。

…何やってんの?あいつら。

そして、あいつ誰?

みるみるうちに顔色を変える俺を、キュレムとシュニィがはらはらしながら。

「…やべぇ。ジュリスの顔が般若になってる。だから言わんこっちゃない…!」

「じゅ…ジュリスさん、しっかりしてください。落ち着いて…」

とか言っていたが、俺の耳には聞こえていなかった。

…マジであいつ、誰?

誰の許可を得て、ベリクリーデにあんなに馴れ馴れしく…。

「あの、ジュリスさん。気を落ち着けて、」

「…ちょっと退いてくれ」

「あ、だ、駄目です!」

シュニィの制止も聞かず。

俺は、ずんずんと裏庭に進んでいった。

こそこそ影から見てるだけなんて、冗談じゃない。

これは一体どういうことなのか、お前は一体誰なのか。ベリクリーデとどういう関係なのか。

説明してもらおうじゃないか。えぇ?