神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

お土産を持って、俺は聖魔騎士団魔導部隊に戻ってきた。

…の、だが。

どうも、聖魔騎士団の魔導師達の様子がおかしいことに気づいた。

…何だか、同僚の魔導師達の態度がよそよそしいような気がするのだ。

誰もが、俺の姿を見ると「あっ…」みたいな反応をするんだよ。

そして、慌てて目を逸らして。

俺が声をかけても、何だか後ろ暗いことを隠してる、みたいな態度。

…何なんだよ?

なんかおかしいなぁ。なんかあったのかな…と。

もやもやしながら、魔導隊舎に入ると。

「あっ…」

「お…」

玄関口で、同僚のキュレム、そしてルイーシュに遭遇した。

おぉ、奇遇だな。

「キュレム、ルイーシュ。丁度良い、お土産をわた、」

「や…やべぇ!ジュリスが帰ってきちゃった…!」

…何だ、キュレムのこの一言。

顔が真っ青になってるんだが。

…帰ってきちゃ悪いのかよ?

キュレムの反応は気になるが、それ以上にルイーシュなんて、

「それじゃキュレムさん。俺は異空間に逃げるので、あとはよろしく」

とか言って、杖を振って空間魔法で異空間に逃走した。

「ちょっと待てルイーシュぅぅ!ズルいぞお前だけ!俺も連れてけ!」

「…何なんだよ?さっきから…」

「ひっ…」

何でビビってんの? 

なんか後ろめたいことでもあるのかよ。こっち見ろよ。

「何なんだ。はっきり言えよ」

「お…俺はあの…俺は関係ないから!」

は?

キュレムは、顔を真っ青にして両手を振った。

「俺は止めようとしたんだよ!でもあの…。そう…これは夫婦の問題だから!夫婦で解決してくれ!」

「はぁ…?」

夫婦…って何だよ?なんのことだよ?

「ちゃんと説明しろよ。何を言っ、」

「みんなー!逃げろ!部屋から出るな!ジュリスが…ジュリスが帰ってきちゃったぞー!」

「は!?」

キュレムは大声で喚きながら、周囲に注意喚起して走っていった。

…行ってしまった。

…何だよ。人をまるで、不審者か何かのように。

さすがの俺も、気分悪いぞ?

折角一週間ぶりに帰ってきたのに、「帰ってきちゃった」って言い方。

まるで、「帰ってこなきゃ良かったのに」と言わんばかりじゃないか。