神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

「なんでー!大事な思い出なのにぃぃ」

「思い出は胸の中にしまっておきなさい。しおりなんてもう必要ありません」

容赦なく、次々と段ボール箱を開けては、中身をゴミ袋に叩き込む。

「羽久ー!助けて!」

おい。俺に助けを求めてくるな。

「仕方ないだろ…。写真なら残ってるんだから、しおりは捨てろ」

なんでそんなもの、今まで持ってたんだよ。

もう必要ないだろ。

生徒達はもう、とっくに捨ててると思うぞ。

「羽久、酷い!…それじゃナジュ君!天音君!助けて!」

俺が味方にならないと気づくや、ナジュと天音に泣きついていた。

「いや、過去の遠足のしおりはさすがに要らないのでは?」

ナジュにマジレスされてるぞ。

ナジュがマジレスするのは珍しい。大抵ふざけるから。

それに、いつもは同情的で優しい天音も。

「…うん。ごめんなさい、学院長先生…。今回ばかりはイレースさんの方が正しいかな…」

天音まで。

「うわぁぁん!シルナの味方がいない〜っ!」

…勝手に喚いとけ。

「捨てなさい。丸ごと全部です」

「りょーかーい」

「分かった」

イレースの指示のもと、すぐりと令月の手によって、残らずゴミ袋へ。

片付けが捗る捗る。

「この調子で、倉庫のゴミを一掃しますよ」

「いやぁぁぁ!イレースちゃんが酷いよぉぉぉ!」

…完全に、お母さんと子供なんだよな。

俺に出来ることは何もない。

みんな、ゴミを溜め込むとこうなるからな。シルナを反面教師にして、部屋の掃除はちゃんとしよう。