神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

で、そんな厄介な会議が、進展も後退もなく終了し。

ようやく、帰国の日が近づいてきた。

やっと解放された、って気分だ。

同じホテルに泊まっていた各国の代表達は、会議が終わるなり、さっさと自分の国に帰っていった。

これ以上、貴様らと同じ屋根の下で同じ空気を吸いたくない、と言わんばかり。

うるせぇ。それなら同じホテルを取るなよ。

気分悪いから、俺もさっさとホテルを引き払って、ルーデュニア聖王国に帰ろう…。

…と、思っていたのだが。

俺は、帰国を一日先延ばしにした。

…え?何の為に、って?

そりゃあ、まぁ…。…なんつーか、あれだよ。

お土産、買って帰ろうと思ってな。

その、ベリクリーデにな。

遊びに行くんじゃないんだぞ、とは言ったものの…。

折角海外まで来たんだから、お土産の一つ二つくらい。

本人も、「お土産買ってきてね」って頼んできたし。

折角だからベリクリーデだけじゃなくて、他の奴らにも土産、買って帰るとするかな。

その為に、わざわざ帰国を一日先延ばしにした。

ようやく会議が終わり、自分の為のフリーな時間を確保した俺は。

一日かけて、ルーデュニア聖王国で待つベリクリーデや仲間の為に、土産を選ぶことにした。

俺がやって来たのは、首都一番の大きなバザール。

食糧品から衣料品、宝石や工芸品に至るまで、ありとあらゆる商品が並ぶ、青空市場である。

ここではフリーマーケットのように、欲しいものがあると、店主と値段を交渉して購入する仕組みである。

これも面白いよな。

ホテルや空港の土産屋も良いけれど、折角外国に来たからには、やっぱり、こういう地元の店で選ばないと。

こういう形式の市場でしか見つけられない、掘り出し物があるかもしれない。 

とはいえ、外国人と見るや、ぼったくられるのが世の常。

そこは、俺の交渉術が物を言うだろう。

ま、適度に頑張るよ。