神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

ーーーーー…一方、海外出張中の俺は。


数日に分けて行われる世界魔導師権利保護会議、なる集まりに、毎日のように出席していた。

仕事だから仕方なく来たものの、正直、あまり気は進まなかった。

面倒だからとか、そういう理由ではなく。

会議に参加してるメンツがな。

前回、シュニィが女であり、アルデン人であることを揶揄し、陰湿な嫌がらせを仕掛けてきたって言うじゃないか。

それが、仮にも各国の代表として選ばれた魔導師のやることか?

多分、今回も、参加していたのがシュニィだったら。

似たような嫌がらせを企んでいたのかもしれないが。

残念だったな。今回は俺だから。

別に嫌がらせしてくれても良いが、俺は反撃するぞ。

しかし、その心配は必要なかった。

各国の代表達は、俺のことを不満げにじろじろ睨んでいたが。

態度は悪いものの、はっきりと言葉に出して俺を批難する奴はいなかった。

結構なことだよ。

ったく、同じ魔導師だというのに。

本来なら、肩を並べて魔導師の権利保護を高らかに主張しなければならない立場だろう。

それなのに、どうしていがみ合わなきゃいけないのか。

ルーデュニア聖王国では、世界でも名だたる魔導師大国であり。

それ故に、非魔導師国家は、当然ルーデュニア聖王国を敵視するが。

親魔導師国家でさえ、ルーデュニア聖王国の寛容な態度が不遜に見えて、気に入らない。

と、いうことなのだろう。

…ったく。これだから国家の代表って連中は。

プライドとメンツを捨てて、腹を割って話せないもんかね。

同じ魔導師相手でさえこれなのだから。

非魔導師相手だと、もっとやりにくい。

会議に参加しているのは、魔導師だけではないのだ。

各国の代表の中には、魔導適性のない一般人も混じっていた。

そういう奴らは、魔導師である俺をじろじろと見て、「バケモノめ」とでも言いたそうな顔。

魔導師なんて嫌いだ、という態度が透けて見える。

あんた、魔導師が嫌いなら、こんな会議に参加してんじゃねーよ。

一体何が気に入らないんだが。

俺が少しでも発言しようものなら、その場にいる誰もが、ジロッ、と俺のことを睨む。

お前みたいな若造は黙ってろ、と言わんばかり。

俺から見れば、あんたらの方が遥かに若造だっての。

でも、そういうことが会議中、何度もあって。

あわや衝突、の場面に何度も出くわし。

こりゃもう、余計なことは言わない方が良いな、と理解。

各国から向けられる、敵意の眼差しを避けるように。

俺は会議に参加して、真剣に話を聞いているフリをしながら、ひたすら余所事を考えていた。

不真面目でごめんな、シュニィ。

でも、俺はもう、こんなもんだよ。