神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

というのも、およそ二時間ほど前。

森の中で、綺麗な木の実を探していたら。

私は不意に、キラキラ光るキノコを見つけたのだ。

「見て見て。綺麗なキノコ」

「メイカイキラキラタケだな」

本当に、宝石みたいに綺麗。

「これ、クリスマスリースの材料に使えるかな?」

「いや、それは無理だ」

「…無理なの?」

「このキノコは、地面に生えている時は光っているが、摘んでしまうと色素が変質して、茶色に変色するんだ」

「そっかー…」

それは残念。

じゃ、地面に生えてキラキラしてる時のキノコを、じっくり見ておこう。

「じーっ」

「…」

「…これって、食べられる?」

「残念だが、毒キノコだ」

「…そっかー…」

毒キノコかー。

毒キノコじゃなかったら、食べてみたかったのにな…。

「でも、こちらなら毒がないぞ」

と言って天使さんは、赤黒い、血管みたいなのが浮き出ているキノコを摘んだ。

大人の手のひらくらいの、巨大なカサ。

それに、黄色のイボイボがたくさんついている。

わー。カラフルでお洒落。

「それは美味しいの?」

「あぁ。メイカイグログロタケだ。ナマでも行けるが、焼くと肉厚な歯ごたえが絶妙で、非常に美味だ」

「やったー」

じゃ、摘んでいこう。

「他には?他には何が美味しい?」

「そうだな…。キノコ類だと、メイカイドロドロタケ、メイカイエグエグタケ辺りが珍味だと言われているな」

「ほぇー」

「それからこの辺りには、メイカイドブドブネズミが棲息しているという」

「それって美味しいの?」

「現世で言うところの、A5霜降り和牛のような扱いだな」

凄い。きっととんでもなく美味しいんだ。

想像しただけで、何だか涎が…。

「…じゅる」

「食べてみたいのか?」

こくり。

「よし。それなら探してみよう」

こうして天使さんは、私のリクエストに応え。

ものの一時間足らずで、野生のメイカイドブドブネズミを確保。

焚き火を起こして、それを焼いてくれたという訳だ。

勿論、最初に採ったグログロタケ、っていうキノコも一緒に。

遠足のお弁当みたいで、面白いね。