神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

「奇遇ですね、シュニィさん。実は俺達も、ベリクリーデさんに会いに行こうとしてたんです」

と、ルイーシュが説明した。

「え、お二人もですか?」

「あぁ。ルイーシュが肉まんを買い過ぎたもんだから、ベリクリーデちゃんにお裾分けしようと思ったんだが…」

「あ…そうだったんですね」

それで?

「シュニィは、ベリクリーデちゃんに何の用だったんだ?」

「いえ、お二人とほとんど同じです。良かったら、ランチでも一緒にどうかとお誘いしようと思って…」

ほほう。女子会ランチか。

それはそれは。楽しそうじゃないか。

俺が女だったら、是非混ぜて欲しかったな。

「ベリクリーデさん、ジュリスさんがいなくて、きっと寂しがっているでしょうから…。少しでも、気を紛らわせてさしあげたくて」

俺達と全く同じ考えだな。

みんな、考えることは同じか。

「そうか…。じゃ、一緒にベリクリーデちゃんの部屋に行ってみるか」

「そうですね」

俺とルイーシュは、シュニィと共に階段を降り、女性隊舎に向かった。

いざ、ベリクリーデちゃんの部屋を目指して。

「それにしても、ジュリスの部屋にいなかったのか…予想外だったな」

「えぇ。ベリクリーデさんのことだから、てっきり家主がいない間も、入り浸ってると思ってましたよ」

俺とルイーシュがそう言うと。

「はい…。正直、私も予想外でした」

シュニィも同意見だったらしい。

ベリクリーデちゃんは普段から、ジュリスにべったりだもんなぁ。

「ああ見えて、意外とベリクリーデさんもしっかりしているのかもしれませんね。ジュリスさんがいなくても、自分のやるべきことをきっちり…」

「いやぁ…それはどうなんでしょうね?」

「えっ?」

…シュニィちゃん。君って人は、本当に良い奴だな。

前向きって言うか。人を疑うことを知らないって言うか。

お人好しなんだよ。

「案外、寂し過ぎて放心してるんじゃね?」

「部屋の中どころか、ベッドの下に引きこもってるに一票」

と、ルイーシュが言うので。

「じゃ、俺はクローゼットの中に引きこもってるに一票」

「え、えぇぇ…」

シュニィはドン引きだったが、俺は充分に有り得ると思うぞ。

もし俺の意見の方が当たってたら、ルイーシュには今度こそ、カップ焼きそばをパシってもらうからな。





…実際ベリクリーデちゃんは、ジュリスがいなかったら、部屋の中に引きこもったり、クローゼットに閉じこもったりしていただろう。

そんなベリクリーデちゃんを、外に連れ出す者がいなければ、の話だが。