神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

その後は、避難していた市役所の兄さんに引き渡した。

兄さん、大層喜んでたよ。「ありがとうございます!」って。

同時に、スズメバチに刺されまくってる俺達を見て、「大丈夫ですか?」って聞いてきたけど。

大丈夫じゃねーよ。

任務が終わったら、真っ直ぐ聖魔騎士団隊舎に帰らなきゃいけないんだが。

俺とルイーシュは、近くの公園に立ち寄った。

ちょっとひと休憩しようと思って。

「はー…。…疲れた…」

体力的にも疲れたし、精神的にも疲れたし、魔力的にも疲れた。

慣れない回復魔法なんか使うからだよ。ったく。

「そろそろお昼ですね。キュレムさん、良かったらお昼ご飯買ってきましょうか?」

と、ルイーシュ。

おぉ…めっちゃ助かる。

「おぉ、頼むよ。カップ焼きそば食べた、」

「分かりました。じゃあおにぎり買ってきますね。鰹節とおかか、どっちにします?」

なぁ。俺の選択肢は?

「ツナマヨ。あとお茶で」

「分かりました。じゃあサンドイッチとコーラ買ってきますね〜」

「…」

ひらひらと手を振って、近所に買い物に行くルイーシュ。

…あいつ、まともにお使いする気、あんの?

カップ焼きそば食べたかったのになぁ…。

…あぁ、もう良いや、何でも…。大体、奴が素直に俺の頼んだものを買ってくるはずがないんだよ。

絶対違うもの買ってくる。

多分、「サンドイッチなかったんで、メロンパン買ってきましたー」とか言うよ。

あいつはそういう奴。

で、しばらくその公園で待っていると。

「ただいま戻りましたー」

買い出しに行ってたルイーシュが戻ってきた。

「おー、お帰り…。…で、何買ってきたんだ?」

「サンドイッチなかったんで、肉まん買ってきました」

ほらな。言わんこっちゃない。

肉まんとメロンパンの違いはあれど、おおかた俺の予想通りだった。

「何でガッツポーズしてるんですか?」

「…いや、予想が当たったなと思って…」

「気を利かせて、ちゃんと肉まん5つ買ってきましたよ」

多いわ。

「何で肉まんオンリーなんだよ。そこは、せめてあんまんとか、ピザまんもさ…」

「あ、大丈夫です。ちゃんと辛子も5つつけてもらいましたから」

辛子の心配をしたんじゃねぇっつーの。

「飲み物はカフェオレですよ。はい、どうぞ」

「…どうも…」

ほっかほかの肉まんを5つ、カフェオレと一緒に渡された。

…飲み物も頼んでたお茶じゃないしさ…。

何歳だよ、お前。

幼稚園児でも、お茶とカフェオレは間違わないよ。

…それなのに。

「で、ルイーシュは何買ってきたんだ?」

「俺はカップ焼きそばです」

「ぶっ飛ばすぞ。マジでお前」

それ、俺が食べたかったヤツ。

とりあえず、ルイーシュには焼きそばの湯切りに失敗する呪いをかけておいた。