神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

…一時間後。

「はぁ、はぁ…やり遂げた…やり遂げたぞ…」

「お疲れ様です」

スイカやメロンみたいな、でっかい球体のスズメバチの巣が。

今では、透明なゴミ袋の中に包まれている。

ゴミ袋の中で、まだスズメバチがぶんぶん飛んでいる。

ここから出せ、と怒っているように見える。

ひぇっ…。

Gジェットはとっくに空っぽになってしまっている。

ついでに、俺の腕も足も顔も、あちこち腫れ上がってる。

もう何回刺されたか分かんねぇよ。

学生時代、回復魔法を習っておいて本当に良かった。

あれを使わなかったら、俺、とっくに死んでるわ。

ルイーシュもな。

「…で、これどうする?」

俺は、ビニール袋のスズメバチの巣を指差した。

すると。

「こうします」

ルイーシュが、杖を振ると。

ぱっ、とビニール袋が何処かに消え去った。

えっ。

「お前、何処にやった?」

「誰もいない時空断層に飛ばしました」

「…それ、最初からやれよ」

「いや、ある程度まとめてくれないと、飛ばせないので」

あ、そう…。

…とにかく、俺はやり遂げたぞ。

スズメバチの巣も、ルイーシュが時空断層に飛ばしてくれた。

まだ周囲に残っていたスズメバチは、俺が魔銃で一匹ずつ仕留めていった。

大変な作業だったよ。

だが、その甲斐はあった。

ようやく、周辺からスズメバチがいなくなった。

屋根裏をもう一度確認してみたが、スズメバチの巣は跡形もなく、スズメバチの姿も見当たらない。

良いか、もう二度とここに巣を作るなよ。

絶対だからな。