神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

やった。これは凄い。

「ジュリスに見せてあげたい…!」

「持って帰って、見せてやると良い」

「やったー」

拾おう。銀ピカの松ぼっくり。

現世のものより少し小さいけど、こんなにキラキラしてる松ぼっくり、初めて見た。

それに、それだけじゃない。

「すごーい。ピンクのどんぐりがあるよ」

「あぁ」

ピンク色のどんぐり、オレンジ色のどんぐり、水色のどんぐり、など。

どんぐりだけで、なんてカラフル。

地面には、小さな葉をつけたクローバーが生い茂っている。

このクローバーも、凄くカラフル。

現世には緑色のクローバーしかないけど、ここには白や赤や、金色のクローバーまである。

「希少種だが、虹色のクローバーもあるぞ」

「え、そうなの?」

「あぁ。特に、虹色の四葉のクローバーを見つけると、永遠の幸福を得られると言われている。…迷信だがな」

聞いた?虹色の四葉のクローバーだって。

「見つけたい…!」

「…見つけて、どうするんだ?」

え?

「見つけて、ジュリスにあげるの」

「…!」

きっと喜んでくれるよ。

「…そうか…。…自分の為に見つけるんじゃないんだな」

「ほぇ?」

「…あくまで、人の為に…。…変わっていないな、お前は」

「…」

…変わって、ない…?

…そういえば、私。

昔…こうして、同じように四葉のクローバーを探したことがある…ような。

…あれは、いつのことだっただろう…?

「…」

「…どうした。大丈夫か?」

「あ、ううん」

何かを思い出しかけて、また消えていった。

「頑張って、虹色の四葉を探そう」

「見つかると良いがな。あれは滅多に見つかるものでは…」

「虹色〜。レインボー。クローバ〜」

「…聞いていないな」

是非、冥界無人島土産に持って帰りたい。

そして、驚いて、喜んでくれるジュリスの顔が見たかった。

その為に私は、虹色の四葉のクローバーを探し始めた。





かつて、同じく大切な人の笑顔が見たくて、そうしたように。