神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

最近、私のことを見ている人がいる。

姿は見えないけど、確かにそこに「居る」。

ずーっと、じーっと見てる人が。

…本当に人なのかな?

…すると。

その人が、ふわり、と姿を現した。

…わー。

すらりと背が高くて、美しい四枚の翼が生えている。

イーニシュフェルト魔導学院に来た、リューイという天使に似てる。

けど、あの天使とはまた違う人。

「…いつから気づいていた?」

「いつから…?」

…前からじゃないの?

あれは確か、ジュリスと一緒に事故物件っていうアパートに住んでた頃。

あの頃から居たよね。

「ずっと前からでしょ?」

「…」

何でそんな驚いてるの?

「…そうか。さすが…器ということだな」

「…うつわ?」

「何でもない。気づいていたのなら、付け回してすまなかった」

「別にいいよ」

私、別に見られて困ることないし。

それに、一人じゃないんだもん。

「ねぇ、一緒に遊ぼう」

「遊ぶ?」

「うん。これ見て、松ぼっくりいっぱい拾ったんだよ」

「…」

じー、っと松ぼっくりを見つめる。

「これね、ジュリスがフクロウを作ってくれたの。クリスマスツリーも」

「松ぼっくりで…フクロウ…?それはどんな錬金術だ」

「ほら、こんな感じ」

この間ジュリスが作ってくれたフクロウとクリスマスツリーを、その人に見せてあげた。

「成程…。松ぼっくりに飾り付けをして、フクロウに似せているのか…」

「可愛いでしょ?」

「可愛いかどうかは不明だが、器用だな」

「そうなんだよ。ジュリスはとっても上手なんだよ」

「それは知ってる。ジュリス・レティーナのことも、ずっと見ていたからな」

そうだよね。

私を見ていたなら、ジュリスのことも一緒に見てるよね。

「一緒につくろ。ね」

「…良いのか?俺で」

「良いよ」

妥協なんかじゃないよ。

だって、この人は何だか凄く…懐かしい気がするから。