甘さなんかいらない



他の子と仲良くしてて嫌だった、とつい口にしかけて慌てて閉じた。


彼女でもないあたしのそんな気持ちを伝えるわけにはいかなかった。そんな権利、ない。



だけどこの男があたしの失言未遂を見逃してくれるはずなかった。


さっきまで固定されていた頭への力が緩んで、あたしに目線を合わせるように屈んで覗き込まれる。


暗くて見えないはずなのに、焦りモードはとっくに消えているし、やっぱり顔面は疑いようもなく王子様。


見えてしまう視力1.5が恨めしい。