さっきまでムカムカ空間にいた彼が、気付かぬうちにあたしのすぐ横まで来ていて、すっぽりと腕の中。
瑛くんの聞き馴染みあるその声に安心すると同時、一気に酔いが覚めていく気がした。
お酒より、君の甘いバニラに酔ってしまうから。あーー、またあたしやらかしかけた。そんでもって、また彼に助けられてしまった。
しかもあたし……瑛くんに行かないでほしいと思ってしまった。
あたしのところにいてほしいって、この名前も思い出せないような元同級生じゃなくて瑛くんだったら、なんて思ってしまった。
──……きっと、抗えない。
「ゆーず、本物こっち」
「……ん、」
「もう俺以外の前で酒飲むの禁止ね」



