ぎゅうっと強く抱きしめられて、あたしもそれを返すのはなんていうか悔しいから絶対にしないけど、でも今のこの行為に嫌な感じがないのは瑛くんが慣れているからか、それとも瑛くんだから、なんだろうか。
…………絶対前者に決まってる。
無許可を後出し許可にしていいくらいには、この温もりは心地が良い、なんて馬鹿みたいなことはこれ以上考えないでおこう。
あたしを離す気配もないまま、新たに声が落ちてきた。もう慣れたその声。昨日今日で幾度となく聞いた低い声。
肩に顔が乗っかっているせいで首筋が声のトーンに揺れてくすぐったい。



