記憶を消したくてアルコールを求めたのに、あいつの言葉とどこか憂いを帯びた表情と視線のせいで酔いなんかどこかへ消え去ってしまった。
あー絶対無理。記憶がないことになんかできない。
昨日の飲み会の記憶は本当に全くないけれど、一度目を覚ましてからの記憶がありすぎる。
元来素直なあたし、この男の前で知らないふりが通用すると思えない。最悪すぎる、人生最悪のやらかしだ。
そして今、この状況も、記憶があるからこそ最悪だ。
今あたしは寝落ちする前同様、瑛くんのベッドで横になっていて。
……今なぜか、かっちり瑛くんの腕にホールドされている。どういうこと、マジで。
いや昨日あたしが吹っ掛けたのはわかってる。わかってるけど、どういうこと。



