甘さなんかいらない





可憐で儚い彼女は、隣の席のクラスメイトだったと言っていた。



……それ以上を聞くつもりなんてない、本人がそう言うのならそれ以上でも以下でもない。けれど、この光景を、隣から盗み見るこの横顔をきっと知ってる。



過去なんて、全部なくなっちゃえばいい、って馬鹿なことばかり考えてしまう。過去があるから今の瑛くんがいて、そんな彼を好きであることに変わりはないのに。




「……ゆず、さっきから手止まってる。もう終わった?」


「ううん。……見惚れてた、って言ったらどうする?」


「んー、俺もう終わったから今度は俺が見惚れる番。こっち来て」