甘さなんかいらない




「……瑛くん、あたし向こうで飲み物買ってくるね」




下を向いたまま、ふたりのほうをみることもできずに。この場にいられなくなって、逃げる選択をした。


瑛くんと、はるのさんの返事は聞かずに足を動かした。途中で背の高い男の人とすれ違って、目が合った。

昔のあたしならきっと「理想の王子様!」と騒ぎ立ててしまうような、かっこいい人だった。


だけど一瞬すれ違っただけだし、直後には忘れてしまうくらいにはあたしの脳内には瑛くんしかいなかった。



そんな君とあたしのお話は、きっとフィクション。