特別は全部フィクション。 まして瑛くん相手だ。現実にときめきもキラキラも存在しない。 瑛くんの特別はすべて、このひとだけ。 あたしきっと、浮かれてたんだ。 あんまりにも、優しさも甘さも、君がくれるから。 甘さなんか捨てた。いらないから。 ……これ以上、あたしの知らない瑛くんを見たくない。 前を向けなくなって、レースのリボンがあしらわれた足元を見ることしかできなくなった。