そんな美人という言葉の具現化と目の前のヒーローみたいなひとは顔馴染みみたいだ。
しかもそれが、ただの“顔馴染み”で済ましていい関係ではないとわかる。たった数秒の会話と、瑛くんの表情、声色で、わかりたくなくてもわかってしまう。
元同級生とか現ゼミの同期とか、あたしたちのように一般化できないような関係。固有名詞の存在する関係だ。ふたりだけの名前のある関係。
いつか瑛くんが言っていた言葉。
あたしに向かって言った言葉なのに、あたし以外の誰かが裏側にいたあの言葉。
『可愛いを自覚した女のほうが、好き』
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