甘さなんかいらない




「瑛くん、いったん離れよ?」


「なんで。やだよ」


「……瑛くんのね、顔、見たいの。お願い」


「……相変わらずおねだり上手で困っちゃうね」




上半身だけ反らしてゆっくり顔を上げたら、あの頃も今も大好きでたまらない綺麗な顔が視界いっぱいに映る。


武器を装備していなくても、瑛くん相手では特性として出てきてしまう上目遣い。



あたしの視界を支配する、本当に悔しいくらい整った顔。何年経っても、これから死ぬまでこの顔面が好きなんだと思う。


あーあ、それならあたしが死ぬまで一生あたしの王子様になってくれたらいいのに。あの頃とは違う、本物の王子様に。