甘さなんかいらない




不覚だ。そんなつもりなかった。

……またこんな気持ちを抱くつもり、なかったのに。



一度触れて関わってしまって触れた毒が、甘くて深くて、解毒の必要性を説けなくなっているくらいには。
もう、抗えない。戻れない。



ねえいつか、アルコールに頼らなくても。あたしの無敵モードじゃなくて、そのままのあたしで。あの頃とは違う本物の想いを伝えてもいいかな。



まだ恥ずかしくて言葉になんかできないから、また今度。



ぎゅうっと抱きしめられて、瑛くんの顔は見えなくて。どんな顔で、今あたしを腕の中に閉じ込めてるの。

見せて、今、どんな顔をしているの。



それが、あたしにだけ見せる“特別”だったらいいのに。

ドラマでも映画でもないフィクションではなく、現実ならば、いいのに。