「っあ、」
ふと、濡れた砂に足を取られてよろけてしまった。それでも重力に負けずに済んだのは、ずっと手を繋いでいるこのひとのおかげ。
でもそのおかげで瑛くん側に引っ張られて抱き止められる形になった。そのままぎゅっとしたまま離してくれなさそう。
「ったく、言わんこっちゃない」
なんだか、あたしがピンチに陥ったらどんな場所にも助けにきてくれそう。ヒーローみたいだ。
助けに来てくれるのは瑛くんで、あたしが助けてほしいと願ってしまう相手もまた、瑛くんだ。
最近は本当にこのひとがあたしの近くにいないことが考えられない。あーあ、困った。



