甘さなんかいらない




ああもうばか、大ばか。


あんたのために可愛くしたんだから。同じ格好をしたって、きっとこの“可愛い”は君にしか届かないよ。



心配しなくたって、多分もうあたしが瑛くん以外を見れなくなってるから。“カワイイ”を作っても、君以外からの“可愛い”の言葉はきっと受付不可能だ。




「瑛くんにだけ思ってもらえたら、それでいい」


「…………はーー、今日一日耐えられる気がしない」


「ん? 何が?」


「なんでも」




訳のわからないことを言い出したかと思えば、もう一度触れるだけのキスを無許可に奪われた。



してやったりの余裕な笑みももう何度見ただろうか。桜色のチークはきっといらなかったくらい、今日一日はこの男のせいで染まっていそうだ。