甘さなんかいらない





やっぱり経験値ゼロなあたしが瑛くんに太刀打ちできるはずがない。



絶対勝てない。待ち合わせて数秒で、予定が決まってからずっと言って欲しかった言葉を余裕そうに言ってのけるんだから。



少しも照れたりしないで、頬がチークの桜色を上書きしているのはあたしだけ。



甘さなんかいらない、自分の武器だった甘さは捨てたはずなのに、瑛くんが甘くて甘ったるくて仕方ない。




「大学には着てこねーよな、そういうの」


「……カワイイは封印してたから」


「じゃあ俺のために解いたんだ。可愛すぎ」


「……ちゃんとあたし、可愛い? それなら大学にも着ていこうかな」


「それは駄目」