甘さなんかいらない




鏡の前で、髪の毛、服装、表情のチェック。

……うん、ちゃんとカワイイ。あの頃さながら、きっとカワイイはず。



ナチュラルに上向いた茶色のまつ毛も、薄いピンクブラウンのまぶたも、桜色に染めた頬も、ぷるんと潤った唇も、今日は全部、君のためなんだから。


瑛くんのためなんて尺でしかないけれど、紛れもなく自分自身の感情なので受け入れるほかない。




……ああでもやっぱり恥ずかしい、やだやだ! 今日一日は瑛くんに加えて、自分の感情との対峙になりそうだ。