甘さなんかいらない








──なんだか懐かしい夢を見た。ロマンチックでもなんでもない思い出。


瑛くんがどうしようもなく遊んでいて、あたしがどうしようもなくうさぎ系あざと天使女子を演じていた頃のこと。



最悪なファーストキスのあの日から、後にも先にもキスは瑛くんだけだ。きっとあの時から決まっていたんだ、あーあ。……いや、先にもはまだわからない、か。



スマホにセットしたAM7:30のアラームよりも早く目が覚めて、一足早く日光を浴びる。



なぜだろうか、考えるまでもない。あたしも大概だ。

最近あたしの思考を支配するあいつの毒牙に蝕まれすぎている。



遠足の日、早めに起きちゃう小学生時代となんら変わっていない。


わくわくして楽しみで目が覚めてしまったなんて、あいつに言ったら嬉しそうに頬を緩めるに違いない。