甘さなんかいらない




表情は変えないまま、あたしたちの視線は絡み合わないまま。


低い温度を纏った言葉をあたしに落として。じわりと視界が滲む。




「じゃあ、なんで、いま、キス……」


「……したくなったから?」



「……何それ。さいってー」




あたしのことは、好きじゃない。付き合おうとも思わない。けど、キスしたくなったんだって。だからしたんだって。なんなんだこいつ。……さいてい、最低最悪!



少女漫画みたいな、運命的な恋とロマンチックなキスを夢見ていたあたし。1ミリたりとも夢のないキスを奪われた。