「では次、七品目。
大盛りカレーライス!」
もう紛らわしいネーミングをやめた高見沢が次に発表したのは、料理の定番
カレーライス。
しかも、大盛り。
「コブちゃん!ここがふんばり所だぞ!」
「頑張ってえ~!コブちゃん!」
こうして、声を張り上げて声援を送るのが今のシチロー達には精一杯であった。
危機回生の策などは、何ひとつ無い。
そして、七品目のカレーライスを完食するまでの時間を計るデジタルカウンターが、容赦なく目盛りを刻み始めた。
余裕綽々でカレーをかき込むピエールとは対照的に、もう限界、といった顔でようやくスプーンを手にする子豚。
(勝負あったな…)
二人の様子を見比べ、にんまりと薄ら笑いを浮かべる高見沢。
一方、チャリパイチームの目はもう、子豚一人に集中していた。
とにかく出された料理をひとつひとつ完食していくしか無い。相手の様子に構っている余裕など、シチロー達には無いのだ。
「コブちゃ~ん!
いけえぇぇぇ~~!」
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