チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~


「では次、七品目。
大盛りカレーライス!」


もう紛らわしいネーミングをやめた高見沢が次に発表したのは、料理の定番
カレーライス。


しかも、大盛り。


「コブちゃん!ここがふんばり所だぞ!」


「頑張ってえ~!コブちゃん!」


こうして、声を張り上げて声援を送るのが今のシチロー達には精一杯であった。


危機回生の策などは、何ひとつ無い。


そして、七品目のカレーライスを完食するまでの時間を計るデジタルカウンターが、容赦なく目盛りを刻み始めた。


余裕綽々でカレーをかき込むピエールとは対照的に、もう限界、といった顔でようやくスプーンを手にする子豚。


(勝負あったな…)


二人の様子を見比べ、にんまりと薄ら笑いを浮かべる高見沢。


一方、チャリパイチームの目はもう、子豚一人に集中していた。


とにかく出された料理をひとつひとつ完食していくしか無い。相手の様子に構っている余裕など、シチロー達には無いのだ。


「コブちゃ~ん!
いけえぇぇぇ~~!」