子豚とピエールの大食い対決だが、ここへきて体格の違いが影響し始めてきたようだ。
五品目の『カツ丼』の頃には、子豚は苦しそうにお腹をさすっていた。
「く・苦しい…そろそろサラダとか軽い物にしてくれないかしら…」
最初は料理を美味しそうに余裕で平らげていた子豚だが、今は三十分の時間内に完食するのに必死である。
一方のピエールはといえば、まだまだ全然余裕の表情だった。
「いや~旨い。旨い。
さすがはレストラン クイ・ダ・オーレだ♪」
子豚が二十分以上かけて完食する料理を、ピエールはものの数分で平らげてしまう。
そして六品目
『松坂牛のサーロインステーキ』
「ちょっとお~!なんでそれ最初に出してくれないのよ~!」
出来る事なら、これは空腹時に食べたかった。
今となっては、その分厚い肉の塊が苦痛以外の何物でも無い。
一方で…
「いいなぁ…松坂牛のステーキ…」
この時だけは、子豚に代わってもらいたいと、ハンバーガーをくわえながら思うシチロー達であった。
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