チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~


子豚とピエールの大食い対決だが、ここへきて体格の違いが影響し始めてきたようだ。


五品目の『カツ丼』の頃には、子豚は苦しそうにお腹をさすっていた。


「く・苦しい…そろそろサラダとか軽い物にしてくれないかしら…」


最初は料理を美味しそうに余裕で平らげていた子豚だが、今は三十分の時間内に完食するのに必死である。


一方のピエールはといえば、まだまだ全然余裕の表情だった。


「いや~旨い。旨い。
さすがはレストラン クイ・ダ・オーレだ♪」


子豚が二十分以上かけて完食する料理を、ピエールはものの数分で平らげてしまう。



そして六品目



『松坂牛のサーロインステーキ』


「ちょっとお~!なんでそれ最初に出してくれないのよ~!」


出来る事なら、これは空腹時に食べたかった。


今となっては、その分厚い肉の塊が苦痛以外の何物でも無い。


一方で…


「いいなぁ…松坂牛のステーキ…」


この時だけは、子豚に代わってもらいたいと、ハンバーガーをくわえながら思うシチロー達であった。