この対決のルールは簡単。
酒を沢山飲んだ方の勝ち!
途中で酔い潰れてしまったり、吐いてしまったら負けとなる。
ところが、いざ勝負を始めようという時になってひとつ問題が持ち上がった。
「酒っつったら日本酒の事に決まってんだろ!
べらんめぇ~!」
「ヤダ!あたしビールの方がいいもん!」
対決に使う酒の種類について、互いの意見が食い違ったのだ。
源さんもひろきも、この事に関しては頑として譲る気が無い様である。
「ビールなんて酒じゃねえっ!」
「うるさい!レストランで日本酒なんて飲むなっ!」
このままでは埒があかない…そこで協議の結果、ピエールによってこんな妥協案が提示された。
「飲む酒の種類は、各々自由に選んでかまわない。…ただし、日本酒に比べてビールはアルコール度数が低いので、飲む量は三倍でなければならない」
これは、ビール派のひろきに対して分が悪い提案と言えよう。
仮に源さんが一升の日本酒を空けたとしたら(それだってかなりの量であるが)、ひろきは炭酸を含んだビールを、5.4リットルも飲まなければならない計算になる。
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