先攻、高見沢…
手馴れた手つきでワインのコルクを抜き、高見沢は自分のグラスにそのワインを注いだ。
そして、そのグラスを顔の近くに持っていきゆっくりと小さく揺らしてみる。
「うん。…この程良く甘い香り、'01年あたりのモノだろうな…」
香りを嗅いだだけでそのワインの年代を当ててしまった高見沢。
その的確さは、横で見ていたピエールがにっこり笑って頷いた事からも判る。
そして、そのワインを少しだけ口に含んだ後…
高見沢は、瞳を閉じてこんな感想を洩らした。
「う~ん…素晴らしい!
この『ブルゴーニュ』の大地と太陽の恵みをたっぷりと受けたこの香り…深みがありながら さっぱりとした味わいは…
まさに…
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