チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~


「それでは『第一回戦ソムリエ対決』を行う!」


ピエールの宣言を合図に、何人かのウエイターらしき人間(?)が、ワゴンに1本の程よく冷えた
ワインと2つのワイングラスを載せて別室から現れた。


何処の何というワインなのかは分からない。


名前の書かれたラベルはすでに剥がされていて、見た目でわかるのは赤ワインという事ぐらいだ。


ニヤリと笑ってピエールが言った。


「さて、このワインは果たしてどんなワインなのか?…一本数十万のグレードヴィンテージか…それとも、二千円で買える安物か?…信じられるのは己の鼻と舌のみだ♪」


ピエール側の刺客ソムリエの高見沢は、余裕綽々なのか、てぃーだに向かってこんな提案を投げかけた。


「本来なら、この対決。このワインの銘柄と年代を当てる事も必須なのだが…今回はそれは抜きにしよう。素人にそこまで求めるのは、酷というものだからね」


ちょっと憎たらしいが、それを聞いてシチロー達はほっと胸を撫で下ろした。










ワインにあまり詳しく無い作者も、胸を撫で下ろしたのは言うまでもない。